介護食献立作り

 

 

 


高齢者の食事献立作り

 
「美味しそう、食べてみたい」
 お年寄りの食事はまず美味しく食べることが基本です。どんなに栄養的に優れていても嫌いなものでは食欲もわきませんし、美味しいと思えないものでは心の満足もありません。せっかく作った食事が彩り悪く、見た目にまずそうな物で食べてもらえない。当然必要な栄養がとれず体力が低下し寝たきりになってしまいます。「美味しそう、食べてみたい」と思ってもらえ、機能的にも食べられる食事をつくりたいものです。そこで今回は噛む力、飲み込む力が弱くなってきた高齢者の方の食事について献立の立て方と共に1食分の献立で紹介します。
 

☆ 食べ慣れた食材、味を基本に

「好き嫌いはない」とおっしゃる利用者さんも実際は食べたことがない食材があり、食べず嫌いの食材があります。また、何だかわからない物には手をつけないという方もおられます。そこで献立は食べ慣れた食材、味を基本に考えましょう。一般的にご飯に汁物、香の物をベースにして日本食を好まれますがカレーライスやハンバーグなどの洋食が一般家庭に広まった時代ですからこうした味にも親しみをもっておられます。当然のことですがその人の好みをきちんと知る事から美味しい食事は生まれると言っていいでしょう。
 

☆ 食欲を引き出す調理の工夫

どんなに丈夫な歯の方でも80歳を過ぎると入れ歯が多くなり硬いものが食べにくくなります。また、身体的な食べる機能も弱くなり食べたいと思っても食べられないということが起きます。こうした問題は食べられるように調理する事で解決しましょう。軟らかく調理する、隠し包丁を入れる、トロミをつけて飲み込みやすくするなど素材、料理に合わせた工夫をしましょう
 

☆ ばっかり食に注意

高齢になり食事の支度がおっくうになるため同じ物ばかり食べる「ばっかり食」には注意しましょう。お年寄りが食べる量は若い人の半分くらいですから必要な栄養素が摂取しにくくなります。その対策として1種類でたくさんの食材を用いる具だくさん汁や炊き込みご飯、鍋物を献立に組み入れるのも一つの方法です
 
 
 

         豊田綾子

 

参考文献 椎野恵子 渡辺トヨ子( 2002)「お年寄りの食事作り」 NHK出版
 
 
 
 
 
 
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